成りたろう 本 映画 切手 を語る

2014年12月8日月曜日

哀しい炎の物語 「クロスファイア」 宮部みゆき

宮部みゆき  「クロスファイア」 上下巻 光文社文庫を読んだ。





著者については、説明に必要はないだろう。


文壇をしょってたつ、女性作家の雄。


ストーリーテラーであり、青春、サイコ、サスペンス、時代物、と自在に紡ぎだす秀才。


その高いレベルだからこその期待は高い。


個人的に、先に、「龍は眠る」を読んでいた。 が故に、似た分野で無意識に比較してしまった。


龍にある、高い品格、崇高なメッセージ、そして、大きな感動。


単純なサイコ・サスペンスであるだけではなく、ヒューマニズムとやるせない絶望からおくりだす強いメッセージを持つ、と云う、宮部流儀は双方とももっているものの、絶望の深さに対して、反動する感動が弱い気がした。


途中、筋がみえてしまったことも、伏線をはり、最後につじつまの合う帰結を迎える、氏の技法が徒になったように思えた。


ただ、映像化・ドラマ化を最初から意識したわけではないだろうが、龍の場合、人間の内面や派手なサイコ的仕掛け、場面がない分、演技者、視聴者、共に、高いレベル、質を要求されるが、こちらは、解りやすく、伝わりやすいだろう。


いわゆる、出来上がっているので、映像化もしやすい完成度をもっている。
ド派手な場面が目に浮かぶようなのは、氏のなせる業のうちとみる。




自分の才能のなさ、おかれた環境に文句ばっかり云っている諸君。




平凡、普通、であることの幸せを、これを読んでかみしめたまえ。




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2014年12月1日月曜日

続く悲報 合掌 菅原文太

健さんに続き、先ほど知りました。

菅原文太さん死去 81歳、肝がん

 映画「トラック野郎」「仁義なき戦い」シリーズなどに出演した元俳優の菅原文太さんが28日午前3時、転移性肝がんによる肝不全のため死去していたことが1日、分かった。30日に福岡・太宰府天満宮で家族葬が行われた。(日刊スポーツ)

合掌。


トラック野郎、まむしの兄弟、など溌剌(?!)とした役柄が、我々の世代の印象だが、やはり、「仁義なき戦い」につきる。

ベースに、現代やくざシリーズ、関東テキヤシリーズ、があり、その完成版が、戦後高度成長期の中のひずみ、ゆがみと、男の美学に支えられ、リアリティある映像として結実した。

 深作欣二 にとっても代表作。


 東映実録ヤクザシリーズ第一弾。

終戦直後の呉。広能昌三は復員後、遊び人の群れに身を­投じていたが、山守組々長・山守義雄はその度胸と気風の良さに感心し、広能を身内にし­た。まだ小勢力だった山守組は、土居組との抗争に全力を注ぐのだった。その土居組を破­門された若頭・若杉が、山守組に加入。若杉による土居殺害計画が進む...。

広島ヤクザ戦争'渦中の人物である美能組元組長・美能幸三の獄中手記をもと­にドキュメント作家・飯干晃一が書き綴ったドキュメンタリー小説「仁義なき戦い」を圧­倒的な暴力描写で映画化。(YOUTUBE コメント)


『仁義なき戦い』(じんぎなきたたかい)は、
戦後の広島で実際に起こった広島抗争を題材として、飯干晃一が著したモデル小説。この原作を東映が製作した映画はシリーズ化され、演劇にもなった。

キネマ旬報が2009年(平成21年)に実施した<日本映画史上ベストテン>「オールタイム・ベスト映画遺産200 (日本映画編)」では、本作を歴代第5位に選出した。(WikiPedia)

 

ちなみに、1位は、小津安二郎 「東京物語」


広能は主役だから当然として。

個人的には、 若杉役の梅宮辰夫に男の散り際に。

坂井役、松方弘樹に男の往生際に。

子供ながらに痺れたわけです。



昭和が終わって行きます。








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2014年11月29日土曜日

もう一丁、新しい新藤監督 「石内尋常高等小学校 花は散れども」

映画評論家がダメだ。




厳密には、雑誌社に出ているのはいいとして。


テレビに出ているのは、罪悪的にダメだ。


まぁ、あれは、広告・コマーシャルだから、金持ち映画をほめざるをえない。
仕事だからしょうがないにしても、まぁ、酷い。






だから、いい映画が、全然売れない。






何というか、選挙の投票率と同じで、映画ファンが減少する中で、売れるのは、目立つもの、アメリカもの(ハリウッドではない)、ドラマ焼き直しもの(それ「映画」じゃなくて、「ドラマ」だよね。TVでやっとけ!)ばかり。




本物は、公開していることさえ、知られていない。






「石内尋常高等小学校 花は散れども」も埋もれた感がある。











いわば、新藤兼人の自叙伝的な映画。


音羽亡きあと、主役の多くを託す、大竹しのぶと本人と思しき、売れない脚本家(豊川悦司)が恩師の定年を祝う会で再会する。




恩師の小学校教師に柄本明。




この恩師を負ぶって、豊川が浜辺を歩くシーンは、日本映画屈指の美しい場面だと感じ入った。


こういう美しいモノを、青少年に観てほしい。




大正末期、広島の悲劇をはさんで、個々にも、重いものをしょっている。


しかし、日本人は、泣き、笑いしながら、したたかに生きてきた。




この真実を、淡々と描いている。




ドラマにはドラマの軽妙で手軽なよさや、役割があり、否定しない。


映画には、映画だけが持つ、役割、使命があると思う。


一本の映画が、人の価値観をかえ、支えとなる可能性をひめている。







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2014年11月25日火曜日

【映画の世界】一発目は、やはり 「午後の遺言状」

先週、「本、本屋」に加え、「映画」「切手」についても、語らせて頂きます、とリニューアルスタートしました。

やはり、「映画」について、その一発目は、決まっています。

 一昨年、100歳で逝去した、昭和の大監督。

新藤兼人の製作/監督/原作/脚本。

『 午後の遺言状 』

第38回ブルーリボン賞および第19回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。日本を代表する名女優の杉村春子の最後の映画主演作、新藤の妻・乙羽信子の遺作、1950年に引退していた朝霧鏡子の45年ぶりの出演作である。

新藤は、「シナリオ」や「撮影日記」、追悼記「乙羽さんのことなど」などを収めた『午後の遺言状』を岩波書店で刊行している。(1995年3月、同時代ライブラリー版、絶版)

人間の老いと死、または生に関する様々な話題を、時にコミカルに、時に悲しく描いている。また様々なキャストで舞台化もされ、現在に至るまで全国各地で上演されている。

(以上、2014/11/25 WikiPediaより)


何故、この映画がすごいか、好きか、と云うと長くなるが。

大きく2つ。

1.大女優とはいえ、年配の二人。色気やそったくれなどなく。ただ、素晴らしい脚本、演出に従って淡々と丁寧に演技してゆく。それを丹念に撮影し、編集する。
大げさな仕掛けなど一切ない。故に、これは、監督の、脚本家の映画であり、本来、映画の定義はそういうものなのである。
その意味の完成度は並ぶものがない。

2.テーマは普遍で重い。「死」である。
しかし、感動や、泣けるシーンや、裏仕掛けなど一切ない。要は、直喩はゼロ。
ドンと事実を俎上にあげ、あとは、煮るなり、焼くなり、観るもの次第。
しかし、そこかしこに、暗喩、隠喩がちりばめられ(例えば、若者のほとばしる「性」「生」との対比)、出演者の演技をとおして、監督・脚本家との問答に誘われる。
いつしか、それぞれの想いや漠然とした答え、もしくは、宿題にゆきつく。
それは、決して、 心地の良いものではない。

が、また、明日から生きて行かねばならない、と云う使命に向かう勇気をもらえたような気になる。


何度観ても、観るときどきによって、答えがかわる。

再鑑賞に耐えるおそるべき傑作。

2時間弱ほどです。

どうぞ、ご覧ください!




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2014年11月23日日曜日

嬉しい誤算! 「残 光」 東直己



東 直己  「残光」 上下巻 ハルキ文庫を読んだ。

 


 

北海道を拠点にし、話の舞台も北海道。ひたすら北海道の人。

 

探偵シリーズ、フリージア、ですでに一定の評価を得ていた、彼の日本推理作家協会賞受賞作 ということで。

 

駄作の匂いぷんぷん。まぁ、一作は読んでおくべし、と買ったものの本棚に眠ること数年。

 

主人公のイメージが、高倉健に重なることで、ようやく手にとった。

 

 

 

結果、非常に面白い。素晴らしい。

 

 

落ちこぼれで、基本、ダメな人々が、たまらなくいいヤツにみえてくる。

 

お上、公の腐敗、醜悪が、フィクションではなく、実話のように思えてくるリアリティ。それを可能にしているテンポと早い話者の交代。

 

手練れである。

 

 

健さん、と云うより、拙バイブルである映画の 山中貞雄 『河内山宗俊』にみる、無私の愛を当り前のようにもち、命をかける、無頼な面々にかさなってくる。

 

得にもならないこと。むしろ、リスクと損ばかりのことに、命をかける理由は。

 

普通は、ない。

 

云うなれば、それは、「義」とでも表現する、厄介なものだ。

 

今回、個人的にしびれたのは、主人公、健三よりも、むしろ、周辺のやくざ、便利屋、ブン屋、ラジオ・ジョッキー、おかま、などなど・・・。

 

 

協力する面々の方に、より強い「義」を見、カッコよさを感じた。

 

 

おそらくは、これら脇役の想いの積み重ねが、作品の正義感を重厚なものにしており、作者の意図、計算の範疇なのだと思われる。

 

 

連続して読むべきではなく。

 

理不尽な怒り、気だるい気分、を吹き飛ばしたいときにうってつけの作家をみつけた。

 

 

爽快な読後感とともに、本当に得をした気持ちだ。

 

今、幸福感でいっぱいである。

 

 

付け足しのようだが、確かに、主人公は健さんそのものだった。

 

合掌。

 


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2014年11月19日水曜日

「映画」と「切手」も一緒のBlogで語らせていただきます!

「映画」と「切手」も一緒のBlogで語らせていただきます!

「映画」と「切手」についても一緒に投稿開始!

 「映画」と「切手」についても一緒に投稿開始させて頂きます。

別のBlogをたてる・・・ことも考えましたが。

◆投稿・更新頻度の問題

◆このBlogを細々と読んでくださる方は「本」以外の、このカテゴリもセーフに違いない、と云う思い込み

以上から、一緒にお届けさせて頂きます!