先週、「本、本屋」に加え、「映画」「切手」についても、語らせて頂きます、とリニューアルスタートしました。
やはり、「映画」について、その一発目は、決まっています。
一昨年、100歳で逝去した、昭和の大監督。
新藤兼人の製作/監督/原作/脚本。
『 午後の遺言状 』
第38回ブルーリボン賞および第19回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。日本を代表する名女優の杉村春子の最後の映画主演作、新藤の妻・乙羽信子の遺作、1950年に引退していた朝霧鏡子の45年ぶりの出演作である。
新藤は、「シナリオ」や「撮影日記」、追悼記「乙羽さんのことなど」などを収めた『午後の遺言状』を岩波書店で刊行している。(1995年3月、同時代ライブラリー版、絶版)
人間の老いと死、または生に関する様々な話題を、時にコミカルに、時に悲しく描いている。また様々なキャストで舞台化もされ、現在に至るまで全国各地で上演されている。
(以上、2014/11/25 WikiPediaより)
何故、この映画がすごいか、好きか、と云うと長くなるが。
大きく2つ。
1.大女優とはいえ、年配の二人。色気やそったくれなどなく。ただ、素晴らしい脚本、演出に従って淡々と丁寧に演技してゆく。それを丹念に撮影し、編集する。
大げさな仕掛けなど一切ない。故に、これは、監督の、脚本家の映画であり、本来、映画の定義はそういうものなのである。
その意味の完成度は並ぶものがない。
2.テーマは普遍で重い。「死」である。
しかし、感動や、泣けるシーンや、裏仕掛けなど一切ない。要は、直喩はゼロ。
ドンと事実を俎上にあげ、あとは、煮るなり、焼くなり、観るもの次第。
しかし、そこかしこに、暗喩、隠喩がちりばめられ(例えば、若者のほとばしる「性」「生」との対比)、出演者の演技をとおして、監督・脚本家との問答に誘われる。
いつしか、それぞれの想いや漠然とした答え、もしくは、宿題にゆきつく。
それは、決して、 心地の良いものではない。
が、また、明日から生きて行かねばならない、と云う使命に向かう勇気をもらえたような気になる。
何度観ても、観るときどきによって、答えがかわる。
再鑑賞に耐えるおそるべき傑作。
2時間弱ほどです。
どうぞ、ご覧ください!
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