映画評論家がダメだ。
厳密には、雑誌社に出ているのはいいとして。
テレビに出ているのは、罪悪的にダメだ。
まぁ、あれは、広告・コマーシャルだから、金持ち映画をほめざるをえない。
仕事だからしょうがないにしても、まぁ、酷い。
だから、いい映画が、全然売れない。
何というか、選挙の投票率と同じで、映画ファンが減少する中で、売れるのは、目立つもの、アメリカもの(ハリウッドではない)、ドラマ焼き直しもの(それ「映画」じゃなくて、「ドラマ」だよね。TVでやっとけ!)ばかり。
本物は、公開していることさえ、知られていない。
「石内尋常高等小学校 花は散れども」も埋もれた感がある。
いわば、新藤兼人の自叙伝的な映画。
音羽亡きあと、主役の多くを託す、大竹しのぶと本人と思しき、売れない脚本家(豊川悦司)が恩師の定年を祝う会で再会する。
恩師の小学校教師に柄本明。
この恩師を負ぶって、豊川が浜辺を歩くシーンは、日本映画屈指の美しい場面だと感じ入った。
こういう美しいモノを、青少年に観てほしい。
大正末期、広島の悲劇をはさんで、個々にも、重いものをしょっている。
しかし、日本人は、泣き、笑いしながら、したたかに生きてきた。
この真実を、淡々と描いている。
ドラマにはドラマの軽妙で手軽なよさや、役割があり、否定しない。
映画には、映画だけが持つ、役割、使命があると思う。
一本の映画が、人の価値観をかえ、支えとなる可能性をひめている。
儲かる、売上アップは集客の仕組みつくり | インバウンド インターネットマーケティング
◆ 2018/ 4/ 9 3回目のリニューアルスタート
◆ 長きにわたって、「酒」「園芸」を中心によもやまなお話しを綴ってきました。
本屋フリークで、乱読家の私、成りたろう、こと松川勝成。2012年10月より、好き勝手に自分の好きな「本」と「本屋」について発信してきました。
最近は、仕事と酒とカラオケの日々。「本」だけではなく「映画」「切手」についても語りたくなりました。
他にブログをたてるのも億劫で、一緒にお届けします。どうか、おつき合いください!
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2014年11月29日土曜日
2014年11月25日火曜日
【映画の世界】一発目は、やはり 「午後の遺言状」
先週、「本、本屋」に加え、「映画」「切手」についても、語らせて頂きます、とリニューアルスタートしました。
やはり、「映画」について、その一発目は、決まっています。
一昨年、100歳で逝去した、昭和の大監督。
新藤兼人の製作/監督/原作/脚本。
『 午後の遺言状 』
第38回ブルーリボン賞および第19回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。日本を代表する名女優の杉村春子の最後の映画主演作、新藤の妻・乙羽信子の遺作、1950年に引退していた朝霧鏡子の45年ぶりの出演作である。
新藤は、「シナリオ」や「撮影日記」、追悼記「乙羽さんのことなど」などを収めた『午後の遺言状』を岩波書店で刊行している。(1995年3月、同時代ライブラリー版、絶版)
人間の老いと死、または生に関する様々な話題を、時にコミカルに、時に悲しく描いている。また様々なキャストで舞台化もされ、現在に至るまで全国各地で上演されている。
(以上、2014/11/25 WikiPediaより)
何故、この映画がすごいか、好きか、と云うと長くなるが。
大きく2つ。
1.大女優とはいえ、年配の二人。色気やそったくれなどなく。ただ、素晴らしい脚本、演出に従って淡々と丁寧に演技してゆく。それを丹念に撮影し、編集する。
大げさな仕掛けなど一切ない。故に、これは、監督の、脚本家の映画であり、本来、映画の定義はそういうものなのである。
その意味の完成度は並ぶものがない。
2.テーマは普遍で重い。「死」である。
しかし、感動や、泣けるシーンや、裏仕掛けなど一切ない。要は、直喩はゼロ。
ドンと事実を俎上にあげ、あとは、煮るなり、焼くなり、観るもの次第。
しかし、そこかしこに、暗喩、隠喩がちりばめられ(例えば、若者のほとばしる「性」「生」との対比)、出演者の演技をとおして、監督・脚本家との問答に誘われる。
いつしか、それぞれの想いや漠然とした答え、もしくは、宿題にゆきつく。
それは、決して、 心地の良いものではない。
が、また、明日から生きて行かねばならない、と云う使命に向かう勇気をもらえたような気になる。
何度観ても、観るときどきによって、答えがかわる。
再鑑賞に耐えるおそるべき傑作。
2時間弱ほどです。
どうぞ、ご覧ください!
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やはり、「映画」について、その一発目は、決まっています。
一昨年、100歳で逝去した、昭和の大監督。
新藤兼人の製作/監督/原作/脚本。
『 午後の遺言状 』
第38回ブルーリボン賞および第19回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。日本を代表する名女優の杉村春子の最後の映画主演作、新藤の妻・乙羽信子の遺作、1950年に引退していた朝霧鏡子の45年ぶりの出演作である。
新藤は、「シナリオ」や「撮影日記」、追悼記「乙羽さんのことなど」などを収めた『午後の遺言状』を岩波書店で刊行している。(1995年3月、同時代ライブラリー版、絶版)
人間の老いと死、または生に関する様々な話題を、時にコミカルに、時に悲しく描いている。また様々なキャストで舞台化もされ、現在に至るまで全国各地で上演されている。
(以上、2014/11/25 WikiPediaより)
何故、この映画がすごいか、好きか、と云うと長くなるが。
大きく2つ。
1.大女優とはいえ、年配の二人。色気やそったくれなどなく。ただ、素晴らしい脚本、演出に従って淡々と丁寧に演技してゆく。それを丹念に撮影し、編集する。
大げさな仕掛けなど一切ない。故に、これは、監督の、脚本家の映画であり、本来、映画の定義はそういうものなのである。
その意味の完成度は並ぶものがない。
2.テーマは普遍で重い。「死」である。
しかし、感動や、泣けるシーンや、裏仕掛けなど一切ない。要は、直喩はゼロ。
ドンと事実を俎上にあげ、あとは、煮るなり、焼くなり、観るもの次第。
しかし、そこかしこに、暗喩、隠喩がちりばめられ(例えば、若者のほとばしる「性」「生」との対比)、出演者の演技をとおして、監督・脚本家との問答に誘われる。
いつしか、それぞれの想いや漠然とした答え、もしくは、宿題にゆきつく。
それは、決して、 心地の良いものではない。
が、また、明日から生きて行かねばならない、と云う使命に向かう勇気をもらえたような気になる。
何度観ても、観るときどきによって、答えがかわる。
再鑑賞に耐えるおそるべき傑作。
2時間弱ほどです。
どうぞ、ご覧ください!
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2014年11月23日日曜日
嬉しい誤算! 「残 光」 東直己
東 直己 「残光」 上下巻 ハルキ文庫を読んだ。
北海道を拠点にし、話の舞台も北海道。ひたすら北海道の人。
探偵シリーズ、フリージア、ですでに一定の評価を得ていた、彼の日本推理作家協会賞受賞作 ということで。
駄作の匂いぷんぷん。まぁ、一作は読んでおくべし、と買ったものの本棚に眠ること数年。
主人公のイメージが、高倉健に重なることで、ようやく手にとった。
結果、非常に面白い。素晴らしい。
落ちこぼれで、基本、ダメな人々が、たまらなくいいヤツにみえてくる。
お上、公の腐敗、醜悪が、フィクションではなく、実話のように思えてくるリアリティ。それを可能にしているテンポと早い話者の交代。
手練れである。
健さん、と云うより、拙バイブルである映画の 山中貞雄 『河内山宗俊』にみる、無私の愛を当り前のようにもち、命をかける、無頼な面々にかさなってくる。
得にもならないこと。むしろ、リスクと損ばかりのことに、命をかける理由は。
普通は、ない。
云うなれば、それは、「義」とでも表現する、厄介なものだ。
今回、個人的にしびれたのは、主人公、健三よりも、むしろ、周辺のやくざ、便利屋、ブン屋、ラジオ・ジョッキー、おかま、などなど・・・。
協力する面々の方に、より強い「義」を見、カッコよさを感じた。
おそらくは、これら脇役の想いの積み重ねが、作品の正義感を重厚なものにしており、作者の意図、計算の範疇なのだと思われる。
連続して読むべきではなく。
理不尽な怒り、気だるい気分、を吹き飛ばしたいときにうってつけの作家をみつけた。
爽快な読後感とともに、本当に得をした気持ちだ。
今、幸福感でいっぱいである。
付け足しのようだが、確かに、主人公は健さんそのものだった。
合掌。
2014年11月19日水曜日
「映画」と「切手」についても一緒に投稿開始!
「映画」と「切手」についても一緒に投稿開始させて頂きます。
別のBlogをたてる・・・ことも考えましたが。
◆投稿・更新頻度の問題
◆このBlogを細々と読んでくださる方は「本」以外の、このカテゴリもセーフに違いない、と云う思い込み
以上から、一緒にお届けさせて頂きます!
別のBlogをたてる・・・ことも考えましたが。
◆投稿・更新頻度の問題
◆このBlogを細々と読んでくださる方は「本」以外の、このカテゴリもセーフに違いない、と云う思い込み
以上から、一緒にお届けさせて頂きます!
2014年11月17日月曜日
読書の幸せ 「森のなかの海」 宮本輝
宮本輝 「森のなかの海」 上下巻 光文社文庫を読んだ。
一言、流石である。
毎日新聞編集委員 重里徹也 による解説が秀逸で輪をかけて嬉しかった。
曰く、我が意をえたり。
決して、幸福なお話ではなく。
むしろ登場人物は誰も、苦難や苦労、暗い過去をしょっていて、快復の片りんはみせるものの、最後まで必ずしも完全な復活までを書かない、語らない。
主軸の大きな謎も、最後は、その答えは永遠に解き明かされない、なほざりにおかれる。
それでいて、尚、読後に訪れる、仄かな希望の光。
包む幸福感が本当に心地よい。
人間は何故、何のために、生まれ、そして、死んでゆくのか?
哲学書、宗教書の趣をもち、かつ、答えを押し付けたり、導いたりはしない。
ただ、静かに問いかけるだけだ。
読者の誰もが、自身の半生や問題、悩みに重ねて、各々の答えを考えるように誘う。
そして、「読書」だけではなく。文章を通して、様々な先人の古典、釜飯、マロングラッセなど美味しいお話。葉巻の楽しみ方。中高年のはじめてのパソコン。陶器鑑賞、自然観察・・・。
これでもか、と、生きる楽しみへのヒントや誘いが仕掛けられていて、読み終えるや否や、実際に、そのどれかを楽しんでみたい、と思う方も多いはずだ。
これは、単なる小説ではない。
少し立ち止まって、人生の楽しみ方を思い出す。復習する。探す、、、、ヒントのつまった一冊である。
ビジネス系の本もおせっかいにお勧めしています。 推薦図書はこちら!
2014年11月7日金曜日
食わず嫌いはいけないけれど・・・ 「TVJ」 五十嵐貴久
五十嵐貴久 「TVJ」 を読んだ。
いきなりだが。
ブックオフが好きだ。
100円コーナーにあれば買う本、普通の棚にあれば買う本、各々候補をもって廻っている。
見つけた時の喜び、お得な気分、いや、幸福感がたまらない。
これと別に、ぱらぱらめくって、敷居を下げて、なるべく読んだことのない人や過去敬遠した作家の本を、適度に買うようにしている。
こちらはギャンブルのようなドキドキ感がある。
すなわち、期待以上に当りか、想像通り(?)ダメで、選んだ自分へプチ怒りか、果たしてどちらか、と云う不安定感を楽しめる。
その意味、食わず嫌いをせずに、一度は食べて(読んで)みようとしている。
さて、今回は、、、、残念ながら、松川には物足りなかった。
テレビドラマのような爽快感・・・が肌にあわない。
あと、レコードジャケットのデザインが至極大切なように、小説のカバーデザイン、装丁も大事だ。
が、ちょっと表紙の女性と主人公が釣り合わない。
絵が下手なのではなく、違和感が我慢の限界をこえた感じがした(少なくとも、私には・・・)。
しかし、上から目線ではなく。テレビドラマが好きな方。
重い小説は、敬遠気味の方。
気楽に読めるモノが好きな方には、お勧めしたい。
本は、私を含め、万民に受けることは無理であり、かつ、必要がない。
ある一定の読者を幸せにできれば、十分に価値、意義があると思う。
次は、読むべき作家の本を読む。
期待を裏切らない本:ギャンブル本の割合は、3:1程度が今の松川には、心地いいようであります。
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