成りたろう 本 映画 切手 を語る: 3月 2014

2014年3月30日日曜日

期待とのギャップ 東野圭吾

東野圭吾 を手にとった。

久しぶりに、「容疑者-X」を読み、やはり伊達じゃないな、いいなぁ、と感心しつつ。

長い作品が多いのと、裏切らないので、はずしたくない気分のときに手に取ることが多いため、自然、本棚で楽しみに待機している時間が長くなる。


今回は、「幻夜」を読んだ。






実は、読後、ここに書くまで時間があった。






どう評すべきか、少し悩んだから。





もし、初めてこの本を読んだなら、「流石!」とどきどきしながら読了し、その、やるせなさをじっくり味わえたはず。

人間と云うのは、かくも、恐ろしい・・・と。

しかも、「白夜行」の続編のような位置づけで、満を持して発表されたものにて、期待も大!!


しかし、それが仇になった形だ。


と云うのも、読み進めるうち、「白夜行」で明かされた、トリック、からくり、本質、の正体が見え隠れし、「結局、同じ話を、別の舞台・キャストで書いただけ・・・」と。


並の作家、期待度、であれば、十分及第なのだが、東野に対する期待は、こんなものじゃない。


前半の期待に反し、後半はちょっとがっかりしながら、ちょっと「だろうな、同じだ」と思いながら読んだ。


へそ曲がり読者をもうなさせることは、かくも面倒なものなのである・・・。

でも、また、別作も読みますよ。期待を込めて。
 

2014年3月13日木曜日

やっぱり 手練・手管です(ほめてます!)

長く本棚に寝ていた「椿山課長の七日間」を読む。

 


期待通り、読みやすく、安定した笑いと感動。

流石、浅田次郎 の面目躍如でして。当初、朝日の新聞小説として連載されたので、短くい中で、ウケを差し込まねばならず、そこは致し方ないのだが。

じゃあ、「きんぴか」とどう違うの? 「プリズン・ホテル」と同じだよね?

と云われると、はい、その通りなのである。

面白い。よくデキている。

でも、上述と同じパターンだよね、と。

これをワンパターンとみるべきか、鉄板のオリジナルワールドとみるべきか、は賛否あろう。


個人的には、ワンパターンだけど、面白からいいじゃねーか、でして。

今回のように、過度の、もしくは、新しい驚きは期待せず、ただ、疲れたときや、外してイラだつと、こっちの私生活にも影響するわい! のときには、至極 安心して手にとれるありがたい作家だと思っています。


いい意味で、手練手管 です。



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2014年3月6日木曜日

酷評ばっかりしないで応援してあげて「栄光一途」

男性なんだけど、少なくとも、私目の読んだものは全部、女性の視点でしか書かない変わり者・・・。

と思っていました。

が、なんで、そんなに酷評なのか? と首を傾げたくなる。決して、崩壊しているわけではなく、相応に出来上がっていて、十分、楽しめる。

ひょっとして、文壇のお歴々の酒の誘いを断るから、などと云う時代じゃないですよね。

 フォローしながら何ですが、ちょっと遠のいていたのですが、年末年始の「小説月間」に、ふと読む気になり、無難なところで、氏の出世作火の粉 (幻冬舎文庫)
を本棚からしずしずと。


久しぶりに、読むと、素直に面白かったのです。

彼独特の世界観は、やはり、他には中々みないものだと、改めて思いました。


ただ、ひょっとしたら、前半の面白さ、期待、が、読み手の勝手な高いところと比べると、後半が、ちょっと物足りない。

いわゆる、息切れなのかな? と感じました。


いずれ、もう一冊、と初の長編だと云う、 栄光一途(幻冬舎文庫)をルーツを辿るつもりで手にとりました。

 


作家の名は、 雫井脩介 です。

さて、色めがねなしで読みました。

まぁ、小説はどんなにシリアスでもファンタジーにて、「そんなアホな・・・」には、寛大な私も、ちょっと、アホな感が増し、後半の失速というか、急いでまとめ感はいなめない。



でも、、、酷評するつもりなく、また、BOOKOFF でみかけたら、取り敢えず、買うべし、の質を十分に備えた作家さんだと、これも、再認識しました。

難しい人です。

もっと評価されることを、かげから祈り、密かに応援しています。



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2014年3月4日火曜日

【Blog再開!】一番好きな本から - きらきらひかる -

言い訳ですが、この歳にして起業したら、それは、想像以上に大変でして。

だからと云いまして、Blogを週に1本くらい、楽しみながら書くことができない、というほど切羽詰っていたわけでもないのですが・・・。


とにかく、書く気満々、仕事もおかげさまで、明日ぽしゃることもなさそうなところに来れましたので、勝手に復活宣言です。

好き勝手な投稿におつきあいのほど、ご容赦・お許し・おつきあい願います。


相応に本を読んできた私。

ここ1年、Blog投稿ない間も、あれこれ読みふけっていました。

ランクをつけることが本意ではなく、大した意味もないのですが、数年来、「成りたろう MY BEST(この表現、昭和ですね、我ながら・・・)」の 1位 に居続ける本のご紹介から。

心の中でランクをつけてから、変な言い方ですが、いつランクが入れ替わるか、それは、どんな本か? と心待ちにしているのですが、中々、しぶとく居座っております。


私と同い年の作家、 













私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。

・・・と、はぁ? と云う感じです。

騙されたと思って読んでください。


特に、年輩の男性に読んで欲しい。

ビジネスや戦いに傷ついたときに読んで欲しい。


人間の誠実や、高貴とは、何か? が染み渡ります。


今、こうして書いている間も、目頭が熱くなり、心が温かくなってきます。不思議です。


氏の小説は、どちらからと云うと重い、遅い、暗いトーンが多く、大事件もありません。

そして、ハッピーエンドですらない・・・。

しかし、幸せになるわけです。つまらん表現でいうと、すごい筆力です。


では、また 次回。