「 落日の宴 勘定奉行 」 吉村昭 講談社文庫 を読んだ。
吉村昭は、病床の生活をへて、執筆にあけくれる。
しかし、名のある賞には縁がなく、妻の津村節子が先に芥川賞を受賞する。
喜びと寂しさの交錯する中、私小説に自身の道をみつけ、翌年、太宰治賞を受賞。
その後、「戦艦武蔵」をかわきりに、綿密な取材と独自の視点、じっくりと丹念に書き込む手法は多くのファンを魅了。
その取材力は、つづくビジネスに材をとる小説群でも力を発揮する。
昨今、漫画で学ぶ歴史本、地理本や。
自社の社歴、事業を漫画で紹介するパンフレットもおめみえする。
彼の小説は、いわば、その先駆けのような感がある。
楽しく読めて、そして、歴史や事実を学ぶことができる。
本書も、私自身、知らない人物、知らない歴史がそこにあった。
初めて知ることができた。
幕末、幕府官僚のロシアとの外交交渉の前面になった人物の史実と人物史である。
仕事に命をかけて邁進する姿は現代社会のビジネスと何らかわらない。
並行して、仕事中に罹災した伊豆大地震も史実も丹念に、描かれ、特に、外国の地で被災したロシア艦隊の悲哀も興味ふかく読めました。
ネタばれになってはいけないが、ライトシーンは衝撃とともに、ある種の感動を与えてくれた。
今の日本人が忘れた魂のようなものを感じるのは私だけか。
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