平塚柾緒 「日本の戦歴 パールハーバー(真珠湾奇襲攻撃)」 学研M文庫 を読んだ。
日本の外務省、外交官が時世の重み、状況をよめず、レベルの低いしかし重篤なミスを重ねて、攻撃後に最後通告(宣戦布告に準じる文書)を手渡すことになり、世界中から後に糾弾される。
しかし、既に、米諜報部・暗号解読部の活躍で奇襲の可能性を上層部は知っていた。
実際、寸前まで停泊していた空母二隻「エンタープライズ」「レキシントン」は湾外に退避しており難を逃れている。
よって、戦争回避の国内世論を引き出す為に、軍部への情報提供・指導をしなかった・・・。
これが、本件を題材にする書籍、テレビの特集番組などで、謎だ、真実だ、と話題になる。
本書ではその辺りは、「謎」のまま放置し重きをおいていない。
攻撃に参加し現在生存する方へのインタビューや資料、史実を元に「現場」で何が起こっていたかを丹念におう。
政府、軍部、そして、天皇陛下の心の揺らぎ、苦悩、葛藤。東条英機よりも松岡外相の暗躍、罪の重さと共に、山本五十六大将の決意。
そして、支えない外務省上層部にひして、しっかりと役目を果たした領事館の面々の活躍と、攻撃直後から帰国まで。
攻撃自体の成功可能性が低く、実施自体の決断までの道と極秘情報を守っての訓練。
米ハワイ軍部の失敗、ミスの連続による行幸。
そして、各攻撃部隊の攻撃の詳細。日本側にも多くの戦死者、捕虜第一号、など被害が思いのほか大きかった事実。
米国側の混乱、大被害と果敢な応戦の数々。
これまで知らない攻撃の真実と史実を知ることができる良書である。
憲法九条の是非を問う現代、かような戦史もしっかりと、若い層を中心に知る、共有しておくことが、より大切になる。
戦争は絶対にダメだ! と無教養に叫ぶ前に、避けたいけれども避けられない事態や、リスクヘッジするための施策、など大きな視点をもって欲しい。
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