誘拐児 翔田 寛 講談社文庫
一気に読んでしまった。
王道の推理小説である。
が、単純ではない。でないと、松川驚かない。
そこには、戦後日本の混乱、苦節を背景に、人間の最も汚い、えげつない部分と、最も尊く、美しい部分を対比してみせてくれる。
しかも、ハッキリと勧善懲悪で悪の人間と善の人間を対比させながら、並行して、一人の人間の中にも、どうしようもなく存在する善と悪、背反する存在と葛藤を鮮やかに描いてみせる。
サイドストーリーとして、若い二人の信頼・愛情の揺れ、と結束。
単なる犯人捜し、事件解決、が主役ではなく、それを軸に浮かび上がるのは、人間の本質である。
ビジネス系の本もおせっかいにお勧めしています。推薦図書はこちら!
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