成りたろう 本 映画 切手 を語る: ■渡辺淳一と云う作家 インターネット集客 株式会社レゾンデートル

2012年11月7日水曜日

■渡辺淳一と云う作家 インターネット集客 株式会社レゾンデートル

このごころついたら、既に、売れっ子作家だった。

マスコミへの露出度、かもし出す雰囲気。

「ノリ」のいい方。頭、考え方の軟らかい方だと思う。

それは、以下、オフィシャルブログ、柔軟な取り組みからもみてとれる。
日経新聞に連載している、シニア応援エッセイでの磊落な意見からも、そう感じる。

悪い言い方をすれば、脇が甘い。

だから、アホ編集者の悪ノリにのってしまう。悪気はないのだ。でなければ、「失楽園」などという題名をつけるという愚行には出まい。

ご本人は、裏表のない方なのだと思う。

毀誉褒貶甚だしく、また、無頓着ともいえる、厳しい言動。その作風に似合わず、ギャップを、気骨を感じる。

改めて、中学生の頃から、つまみ食いのように、読んだ本は、何だかんだ云いながら、20を超えている。

全く作風は違うが、赤川次郎、星新一、西村寿行、森村誠一、などなど、単行本の価格だけの値打ちを保持し、期待を下回らず、そして上回らず。

おそらくは、 個人的に、読み初めが早すぎて、その良さが全く判らないままに、あれよあれよで30有余年。


はっきり云おう。その実績・実力を認めながらも、氏の恋愛小説、その世界観は、私には、今もって全く理解できない。

食わず嫌いでないことは、読んだ冊数が示している。そして、否定するほど酷いものが殆どないことは、その文体の確かさの証でもある。

私が、お子ちゃまなので、文章としての内容にはついてゆけても、コンテンツとしては追いつけていないし、これからも理解及ばぬのだろう。

ひょっとしたら、世の男性諸氏の殆どは、私に右にならえで女性のための文学と割り切るべきか。


しかし、氏のもうひとつの顔は、全く違う。

直木賞受賞の「光と影」。

西郷、大久保主役の幕末・薩摩の脇役的な人々に光をあてた、もうひとつの西南戦争とその後の対極の男の人生。目に見えない理不尽な力におされてゆく、構成力は圧巻。

女性諸氏を寄せつけないであろう、雄(オス)のための、雄のお話。

恋愛物、性愛物、に並行して、ポツポツと、だが、確実に描き続けている、伝記物。これが、私の好きな氏の正体である。

ともすれば、「失楽園」「化粧」「別れぬ理由」などセンセーショナルで、かつ、うまい(悪い?)マスコミのノリに迎合した作品を表とすれば、裏? の顔が好きなのだ。


その伝記物の中で、自叙伝、とされる「白夜」全5巻。

これが、私の一番好きな、「渡辺淳一」である。

青年が、人間として、殻を破るときの苦しさ、蒼さ、苦さ、切なさ、を教えてくれる。どの年代の人間が読んでも、違う角度で、意味合いで、語りかけてくるであろう。品格と質の高い文章をそなえた秀作。

また、50歳を超えて再読したい、と本棚の隅に並べている本だ。


【参照サイト】
「楽屋日記」渡辺淳一オフィシャルブログ 無茶、カジュアルなスタッフ日記

「淳平書店」 オフィシャルECサイト 面白い取り組みです


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