成りたろう 本 映画 切手 を語る: 7月 2018

2018年7月29日日曜日

【本の世界】 男のエゴ? ロマン?  夢枕獏文庫版「神々の山嶺(いただき)」



 「神々の山嶺()(下)」 夢枕獏 集英社文庫を読んだ。



夢枕獏は、多作、多方面で活躍する小説家の枠に収まらないスーパーマン。
私も小説以外に影響をうけている一人です。

「陰陽師」が有名だが、その他にも本作を含め、文学賞受賞歴多し小説家にして、鮎釣りをはじめとする釣り師。
格闘技のおっかけにして識者、特に、UWF愛は有名。

作品については、以下、アマゾン説明に詳細はゆずるが、男の本だと思う。

一言でいえば、人生設計は破滅にむかうダメな人間の話で、関わった女性はたまったもんじゃない。
しかし、心の底で共感している自分を発見しながら話の中に引き込まれてゆく。

氏の特徴である当該ジャンルのプロも驚く細部までリアルな表現にこだわるところも期待通りの魅力である。

アマゾン紹介・書評曰く、
羽生丈二。単独登頂家。死なせたパートナーへの罪障感に悩む男。伝説の男が前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む。なぜ人は山に登るのか? 永遠の問に応える畢生の大作! 11回柴田錬三郎賞受賞作。

カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。


日常のマンネリに疲れを感じたら・・・。
非日常の向こうのロマンに浸れる一冊(上下の二冊)です。

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2018年7月23日月曜日

【映画の世界】 日本人が観るべき価値のある映画 「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」



「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」 山田洋次監督 松竹配給 を観ました。
近場、大泉学園のT・ジョイSEIBU大泉は車で行けてありがたく、妻と一緒に3本とも見ています。


『家族はつらいよ』(かぞくはつらいよ)は、山田洋次が虎さんの「男はつらいよ」シリーズ後、日本国民のためにおくる邦画らしい正しい日本映画。
その3本目の『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』と題して公開された。

題名でわかる通り、女を撮らせればこの人、昭和の名監督、成瀬巳喜男の『妻よ薔薇のやうに』1935年(昭和10年)へのオマージュである。
可能なら、あわせて観てほしい。

3作目も涙と笑いでアッという間に時間が過ぎて大満足でる。
個人的には、2作目は弛緩した感があり、どうだろうか・・・と心配しながら足をはこんだが、いい意味で裏切ってくれた。

どの家族でもかかえるであろうドタバタ劇であるが、この家族には愛があふれている。
しかし、小賢しさや人間のいやらしさもしっかり描かれていて、嬉しい。

仕事に生活に疲れた皆さん、是非観てください。

明日から元気に頑張れます。
ささいな幸せが一番です。

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2018年7月15日日曜日

【本の世界】 人間の心の昏がりとは 京極夏彦 文庫版「死ねばいいのに」



「死ねばいいのに」 京極夏彦」 講談社文庫を読んだ。


日本でのiPad発売と同日に初の電子書籍として発売されたことで有名。

私と同世代を代表する直木賞作家。

元デザイナーで、食えない時代にしゃれで書いた「姑獲鳥の夏」がそのまま出版に至り、以降、量産を続ける。

とにかく分厚い本が多い。

では冗長か?
というと独特のおどろしい、妖怪の世界、魑魅魍魎の世界に引き込まれる。

本書は、それらと一線を画す、人間の本質をえぐった本で、このような小説らしい小説を書くことができる実力があっての妖怪シリーズだと納得させられる。

書評に、
死んだ女のことを教えてくれないか―。
無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。
私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実.・・・。
人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは―

殺された”知り合い“の女性の半生はどのようなものだったのか、所縁のある人間を訪ね歩く主人公。しかし、どいつもこいつも、関わりのあったはずの故人のことは話さず(話せず)、自身の言い訳? 自身の保身? 自身の自慢話? に終始する。

そのような醜い本性に対し、主人公は素直に放つ「死ねばいいのに」と・・・。

人間の業とはなにか?
生きることの意味をとう時期が人にはあると思う。

そのようなとき、一助になる可能性がある。
しかし、重い、昏い。

京極ファンであるが、その毛色から未読の方にも、読み価値、というより、意味がありと申し上げたい。

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2018年7月9日月曜日

【本の世界】 後味が悪いよ~ 桐野夏生 「グロテスク」



 「グロテスク」 桐野夏生 文春文庫を読んだ。


本作は、第31回泉鏡花文学賞、受賞作。

デビュー作『顔に降りかかる雨』が江戸川乱歩賞ののち、順調に書き続け、売れ続け、直木賞を『柔らかな頬』1999年に受賞。

以降も実(販売・売上)と華(受賞・評価)を備える日本を代表する作家である。

だから・・・というわけではないが、乱読、松川の好きな作家、十指にはいる。
言い訳? だが、売れているからではなく、事実、売れていない習作やミステリー以外のシリーズ(女子プロレスが舞台)もたまらない。

驚くべきは、長く、その質を維持しているばかりか、毎度、新たな面、新たな世界、新たな問題を読者のみならず、社会に世間に突きつけてくる高い視座を持ち続けている。

本作もその名の通り、グロでエロ、ブスな小説ではない。
ともすれば、男性が書くと問題の本質を別のところにもってゆかれるところ、同姓の女性が各ところに妙があり、説得力を感じる。

背景、題材と言われている、現実の事件「東電OL殺人事件」がもつ現代社会の闇を、小説という媒体をかりて更に深くエグりこんでいる。

多くの書籍はハッピーエンドではなく、むしろ、重い、暗い読後感を与えてくれる。
しかし、一方的に絶望しているか、というとそうではない。
それは、実は、どの人間でも根源にもつ、重さ、暗さ故に、ある種の親近感、納得感があるためか。

受賞歴の多様さが示すように、ともすれば、玄人うけする文章かもしれないが、しっかり、初めての読者も魅了する技量をそなえている。


読んでいない方、どの本からでもいいが、是非、どうぞ。
新しい自分に出会えるかもしれません。

(・・・と書いたものの、初心者にお勧めは、「顔に降りかかる雨」「天使に見捨てられた夜」という初期作が無難かもしれません・・・)

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2018年7月2日月曜日

【本の世界】ただ者ではない 東野圭吾 「流星の絆」


「流星の絆」東野圭吾 講談社文庫を読んだ。


今や知らない人は少ないだろう。

日本を代表する、ベストセラー作家。
意外なことに、文学少年ではなく同人誌などにも参加していない。

そして、江戸川乱歩賞をとるまで苦労し、その後、直木賞まで時間をかけている。
しかし、その後の怒涛の活躍のイメージが大きく、また知られるところである。

質の高い内容と、彼らしさは、この習作時代が功を奏したとみて間違いないだろう。

ジャンルを問わず、多読派の私だが、推理小説、ミステリー小説は、どちらかというと、頭が疲れた時にあえて読むことが多い。

なぜなら、目的、面白さがハッキリしていて、楽しめながら、芯から頭は疲れないようなところが好きだ。

ところが、彼の小説は、ときに、推理小説であること、ミステリー小説であることを忘れさせる。

ヒューマニズムやロマンス、いや、ファンタジーというべきか。
最後に希望が残っているところが、何というか、、、好きだ。

それは、「白夜行」「幻夜」のような重い主題、結末でも。
「手紙」「秘密」でもみられる。

そして代表作を言うべき「容疑者Xの献身」で支える心、文字通り、献身をみせた次作である、本作では、兄弟愛をみせてくれている。

楽しみながら、ハラハラしながらも、最後に暖かさを欲しい人(どんなんや・・・)。

お勧めです。

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