成りたろう 本 映画 切手 を語る: 【本の世界】痛快、感動、読むべし!「海賊とよばれた男」

2018年6月10日日曜日

【本の世界】痛快、感動、読むべし!「海賊とよばれた男」



「 海賊とよばれた男 」上下巻 百田尚樹 講談社文庫 を読んだ。


百田尚樹のベストセラー(第10回本屋大賞受賞作品)で映画化されたことは周知。

出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の一生と、出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれている。

中心人物は仮名だが殆どが実在モデルがおり、脇役、特に著名人は実名で登場する。
臨場感のたかい作品。

氏の特徴である、主人公以外はクソミソ(例えば、やしきたかじんの末期を描いた「殉愛」はいまだに物議をかもしている)であることに注意は必要だが、主人公と、これをとりまく人々の生き方は、日本人の誇りで、いつまでも忘れてはいけない、大切な魂である。

様々な戦いの構図がある。

世界大戦、日米、イラン英、イラン米、イラン国内。
そして、日本国内の既得権益、過去と新しい価値観、大企業と零細企業。

特筆すべきは、主人公の企業は、上場しない。
資本提携し、外資の役員を受け入れない。
銀行や官僚からの天下りを受け入れない。

幾度も、危機を迎えるが、そのたびに、価値観を同じくする恩人に助けられる。

それは、日本人だけではなく、アメリカ人にも、侍のような公正、公平な価値観をもつ人間が登場し、しばしば、この国の懐の深さをみせてくれる。

人種、国をとわず、善も悪も、心の美しさ、汚さも、肝の大きさ、小ささも。
全ては、「人」に宿るということが繰り返し描かれている。

正義は必ず勝つ、しかし、時世により、負けたとしたら、その時は、潔く、最後は、乞食をすればよい。

どんなに苦しくても、馘首はしない。
タイムカードはない、組合はない、定年はない。

お客様は大事であるが、それ以上に社員(店員と表現)を大事にする。
社員教育に時間をさき、権限委譲を若いころから行う。

護送船団的な甘えに属さず、自分で判断できる、責任をとる力をつけさせるように育てる。

目先ではなく、5年先、10年先をみる。

現在の日本企業に求められていることを、この時代に率先しておこなっている。

これは、奇異にうつること甚だしいだろう。
痛快で、爽快だ。

ネタバレはまずいが、個人的に強く心に残っているのは2つ。

先妻、ユキの心の美しさ、潔さ。本物の愛情。

英国に、そして、世界に搾取され、裏切られてきた、イランの信義に真心と誠意でこたえ、タンカーを乗りつけた場面。

涙がとまらなかった。

ビジネスで、人生で、厳しい、辛いときに、読むべき元気のでる一冊。
お勧めです。

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